田舎暮らしを象徴するアイテムといえば「薪ストーブ」。
以前、「薪ストーブライフを楽しむために、最低限必要なアクセサリーはこれ!」という記事をアップしましたが、今回はそもそもの薪ストーブの素晴らしさをお伝えします。
一応、最後の方にデメリットもまとめるので、これから田舎で家を建てる人や、リフォームをする人の参考になればと思います。
我が家の薪ストーブ「アイアンドッグ Nº07」
まず本題に入る前に、我が家の薪ストーブを紹介します。
我が家ではドイツ製の「アイアンドッグ Nº07」を使用しています。
薪ストーブは数十種類も販売されていて、探し始めたときはその違いがまったくわからず愕然としましたが、以下のようなことを重視してコツコツ探していきました。
- 無駄な装飾がなくシンプルなもの
- 家の雰囲気を壊さない洗練されたデザイン
- 40cmの薪が入る中型以上のサイズ
これらを満たしてくれる薪ストーブは「アイアンドッグ Nº07」でした。直線的なデザインでどこかレトロな雰囲気が気に入って、ほぼ即決でした!
薪ストーブは、素材や気密性などで燃焼効率が決まるため、商品によって性能が異なります。
本当はその辺りもしっかり考慮したほうがいいのですが、部屋の主役級のアイテムのため「デザイン性」や「部屋の雰囲気との調和」を最優先に考えました。
ちなみに、購入から設置までは長野県池田町の「山風舎」に一括で対応していただきました!長野県では結構有名な会社なのでお近くの方は相談してみてください!
薪ストーブの魅力とは?
では、薪ストーブの魅力をお伝えします。
薪ストーブひとつで家全体がほぼ暖まる
薪ストーブの最大の魅力はなんと言っても「圧倒的な暖房能力」です!
家の大きさや設計にもよりますが、40坪ぐらいまでの広さなら、薪ストーブひとつでほぼ家全体が暖まります。
我が家の場合、薪ストーブから一番離れた廊下、トイレ、脱衣所などはちょっと寒いですが、それ以外はだいたい暖かくなります。寒冷地に住んでいてこれほど幸せなことはありません!
暖かい空気は上に上に行くので、2階もポカポカ。むしろ暑いぐらいで、半袖で過ごすこともあります。
薪ストーブの暖かさや暑さは決して不快なものではなく、遠赤外線の効果により、じんわりと身体の芯まで温まるような心地よいものです。
炎の癒し効果
キャンプで焚き火をしているときに、ぼんやり炎を見つめて癒やされた経験はありませんか?
炎のゆらめきには、小川のせせらぎや小鳥のさえずりと同じように、人に本能的な快感や快適さを与えてくれるそうです。
薪ストーブを焚いていると、そんな癒しの効果を日常的に得られます。そして、薪ストーブの周りには自然と家族が集まり、贅沢で幸せな時間を一緒に過ごすことができます。
薪ストーブの上で料理を作れる
家の中を暖めながら料理ができてしまうのも薪ストーブの魅力!
じっくりコトコト煮込む料理が得意で、肉も野菜もほろほろに仕上がります。我が家ではセイロを使って蒸し野菜を作ったり、ご飯を温め直したりもしています。
寝る直前の、薪が熾火から燃え尽きるタイミングにアルミホイルで包んだサツマイモを入れておくと、翌朝にはほくほくの焼き芋ができています!
薪ストーブなら、電気・ガス代を気にせず色々な料理にチャレンジできてしまうのです!
20~30年使える
薪ストーブは初期費用(我が家は本体+煙突+設置費で80万円ぐらい)こそ高いものの、正しい使い方をし、メンテナンスをしっかりすれば、20~30年使える暖房器具です。
正しい使い方とメンテナンスとは、
- 湿った薪は使わない →煙突に煤やタールが溜まり、故障や火災の原因になる。
- 適切な温度で燃やし続ける →200~300度が望ましい。高温になりすぎると本体が歪んでしまう。
- 年に一度、煙突の掃除やメンテナンスをする
などです。
慣れてしまえばとても簡単!
究極のエコ暖房
薪ストーブの燃料は薪。つまり「木」です。電気をまったく使いません。
我が家で使用している薪の多くは、森全体を健全な状態に保つために伐採された「間伐材」です。
しかも、比較的近場の山で伐採しているため地産地消となり、海の向こうからやってくる石油と違って輸送時のCO2排出を削減できます。
薪ストーブは、持続可能でとてもエコな暖房器具です。
薪ストーブのデメリット
たくさんの魅力やメリットがある薪ストーブですが、もちろんデメリットもあります。
参考までにいくつか例を挙げておきます。
薪代が高い
今年、我が家では約4トンのバラ薪(割ってある薪)を購入しました。その価格はなんと約14万円…!
賃貸アパートに住んでいたときの灯油代はひと冬で約2.4万円程度だったので、およそ6倍です。恐ろしいほどに高いです…。
しかし、来シーズンからは原木を購入し、チェーンソーと斧を使って自分で薪を作ります。その方法であれば5トンで7万円程度にまで抑えられる予定です。
手間はかかりますが、自分で手に入れたエネルギーで暖をとる行為は、薪ストーブならではの楽しみです。
薪の保管場所が必要
ひと冬に4~5トンの薪を使用する想定では、その保管にだいたい8畳分のスペースが必要になります。
我が家は田舎のため土地が広くあまり気になりませんが、都市部ではちょっと大変なスペースです。
薪ストーブの導入を検討している人は、保管場所のことも考慮しておく必要があります。
30分~1時間に一度薪を追加しなければいけない
石油ストーブは一度給油すれば2日間ぐらい保つと思いますが、薪ストーブはこまめに火の状態を確認し、30分~1時間に一度は薪を追加しなければいけません。
これが結構面倒で、別のことに集中しているとついつい忘れ、火が消えてしまうことがしばしばあります。
そうすると部屋がなかなか暖まらず、燃やした薪が無駄になってしまうことも。
面倒くさがりで大雑把な人は、ストレスを感じてしまうかもしれません。
ボタン一つで点火しない&すぐに暖まらない
薪ストーブは、石油ストーブのようにボタン一つで火が付きません。
焚付材を入れて、薪を入れて、火を付ける…。最短でも3分ぐらいはかかってしまいます。
また、火が付いてもすぐには暖まりません。だいたい1時間ぐらいで暖かくなってきたことを実感できます。それまではひたすら我慢です。
朝起きてから1時間以内に外出し帰宅時間も遅くい人には、あまり向いていません。
部屋が乾燥する
薪ストーブを使用するととても乾燥します。湿度40%を下回ることもしばしば。
そのため、薪ストーブの上に水を入れた鍋を乗せたり、部屋に洗濯物を干すなどの乾燥対策は必須。
ちなみに、石油ストーブは使用した灯油と同程度の水分が空気中に放出されるそうです。窓が結露する代わりに過乾燥にはなりにくいそう。
部屋が汚れる
薪は半年以上屋外で保管するので、カビが生えたり、虫が付いたり、薪の皮がボロボロになります。
そのような汚れた薪を家の中に持ち込むので、当然部屋も汚れてしまいます…。
我が家は、玄関に直結した土間に薪ストーブがあるのでそこまで気になりませんが、薪の搬入経路が長い家やリビングのど真ん中に薪ストーブがある家はかなり気になると思います。
家の設計時に薪置場から薪ストーブまでの動線をしっかり検討しましょう。
まとめ
いくつか例を挙げたデメリットも、「そういうものなんだ」と最初から理解しておけば、大した問題ではありません!
それよりも、家全体が暖かい幸福感や、炎から得られる癒しの効果などで、充実した生活を送ることができます!
せっかく家を建てるなら(リフォームするなら)、ぜひ薪ストーブの導入を検討してみてください。
薪ストーブライフを楽しむために、最低限用意しておいたほうがいいアクセサリーは、こちらの記事にまとめてあります。