5月に初めての薪割を行ない、約5ヵ月が経過しました。
一般的に、「広葉樹は1年以上、針葉樹は半年以上乾燥させなければいけない」「割ってから1~2ヵ月雨ざらしにして樹液を洗い流すといい」などと言われますが、実際のところはどうなのでしょうか?
山から伐採された時期が11月から3月の場合は、木が活動停止しているため元々水分が少なく乾燥が早いそうです。
その一方で、4月から10月に伐採された木は、乾燥に時間がかかるとか。
また、薪の保管状態も乾燥の速度に影響します。
薪割に慣れている人であれば、薪同士を叩いてその音で判断したり、長年の経験から乾燥具合を判断できるそうですが、初心者には無理。
そのため今回は、ファイヤーサイドのデジタル含水率計を購入して、乾燥しているかどうか確認してみました。
含水率計はファイヤーサイドが使いやすい
ファイヤーサイドの含水率計は、先端の針を薪の木目に沿って差し込むだけで、簡単に乾燥具合を測ることができます。
ボタンは「電源」と「ホールド」の2種類のみ。
誰でも簡単に使いこなせるシンプルな設計が特徴です。
しかも、ストラップ付のケースと替えの針が付属します。
使用する電池はあまり馴染みのない「9V角形乾電池」。
含水率計には付属していないので、別途用意する必要があります。
薪の乾燥が重要な理由
乾燥が不十分な薪は、着火しにくく燃焼効率を下げるだけではなく、煙突が詰まりやすくなります。
煙突が詰まると煙突火災の原因にも。
そこで、燃やす前に含水率をチェックし、しっかり乾燥した薪を使用することが重要になります。
計測する薪は5種類
色々と比較できたほうがいいと思うので、計測する薪は以下の5種類を用意しました。
- 9月に割ったカラマツの細薪
- 9月に割ったカラマツの薪
- 5月に割ったナラの薪
- 5月に割ったナラの細薪
- 5月に割ったナラの薪をさらに半分にした薪
カラマツは針葉樹で8月末頃に伐採されたもの。ナラは広葉樹で3月頃に伐採されたものです。
カラマツの薪は割ってから日が浅いので、まったく整理ができておらず、とりあえず雨の当たらない車庫で保管していました。
ナラの薪を保管していた場所は、写真の薪棚の一番上。
屋根があるものの、雨を完全に防げるものではありませんが、風通しと日当たりはそれなりに良いです。
計測結果は意外な数値に
それでは含水率を計測していきます。
割った直後の含水率は約50%あるそうで、それが15~20%まで乾燥したら薪としての適正値です。
1ヵ月後には薪ストーブを稼働することになりますが、すぐに使えるものはあるのでしょうか。
1.9月に割ったカラマツの細薪「含水率18%」
まずは、9月に割ったカラマツの細薪ですが、なんと「含水率18%」でした。
割ってから1ヵ月も経っていないものの、細くしておいたおかげで含水率は20%を切りました。
この冬すぐに焚付として使用できそうです!
2.9月に割ったカラマツの薪「含水率36%」
同じく9月に割ったカラマツの通常サイズの薪は「含水率36%」でした。
こちらは先ほどのものよりも太いので、さすがに乾燥は不十分でした。
ただし、すでに30%代に入っているので、シーズン後半から使用できるかもしれません。
3.5月に割ったナラの薪「含水率17%」
5月に割ったナラの通常サイズの薪は「含水率17%」でした。
一見、十分に乾燥しているように見えますが、薪が太くあくまでも表面の数値なので、参考になりません。
最後に紹介する「5月に割ったナラの薪をさらに半分にした薪」が判断基準になります。
4.5月に割ったナラの細薪「含水率19%」
5月に割ったナラの細薪は「含水率19%」でした。
細いので、薪の中心部もほぼ同様の数値だと想像できます。
よって、この冬からすぐに焚付として使える可能性が高いです。
5.5月に割ったナラの薪をさらに半分にした薪「含水率23%」
最後は、5月に割ったナラの薪をさらに半分にした薪です。
太い薪の正しい数値を測るために半分に割りました。
その数値は「含水率23%」でした!
乾燥するのに時間がかかると言われている広葉樹のナラですが、意外にも順調に進んでいて、あと1ヵ月もすれば薪として使用できるかもしれません!
これは驚きの結果でした。
おわり
広葉樹の乾燥には1年以上かかると言われていましたが、
- 11月から3月に伐採された木
- 割ってから半年前後経過
- 適正な保管状況
の条件が揃っていれば、割った年の冬から使える可能性が高いことがわかりました。
保管スペースが狭い、もしくはどうしてもこの冬から薪を使いたいという人は、少し面倒ですが細めに割っておくとよさそうです。
ぜひ参考にしてみてください。
では、また!
▼薪の入手方法や種類についてはこちらの記事を参考にしてください
▼薪割にオススメの道具はこちらの記事を参考にしてください