悩みに悩んでライツ ミノルタ CL用にレンズを買いました。
どんなレンズを買ったかというと、それは、コンパクトなライツ ミノルタ CLの機動力を最大限に活かせるM-ROKKOR 40mm f2です。
安定した性能を求めるのなら現行で買えるVoigtlanderの NOKTON classic 40mm F1.4やHELIAR40mm F2.8 Asphericalという選択肢もありましたが、ボディとの時代感やデザインの整合性を合わせたいと思ったこと、そして古いレンズを使いたいという欲求が勝りました。
M-ROKKOR 40mm f2には、ライカが設計しミノルタが製造したライツ ミノルタ CL用とその後継機でミノルタが再設計&製造したミノルタ CLE用の2種類あります。
両者はピントノブの形状がやや異なりますが、レンズ構成や性能はほぼ同じなんだとか。
僕が買ったのは後者です。
M-ROKKOR 40m f2の購入動機
ライツ ミノルタ CLを買ってからの数ヶ月間は、Summicron 50mm f2やM-ROKKOR 90mm f4などを使っていました。
Summicron 50mm f2は標準レンズとして最高峰の描写力があることは魅力でしたが、コンパクトなCLに合わせると、レンズの長さや色が合わずやや不格好な見た目になっていました。
せっかくならサイズ感もデザインも整合性が取れたレンズを使いたいと思ったのが、M-ROKKOR 40mm f2の購入動機です。
他Mマウントレンズとのサイズ比較
他のMマウントレンズとサイズを比較をしてみました。
左から、Summaron 35mm f3.5、Summicron 50mm f2、M-ROKKOR 40mm f2、M-ROKKOR 90mm f4です。
画角も発売年も違うので、比較してもフェアではありませんが、M-ROKKOR 40mm f2の小ささが際立っています。
しかも重さはわずか105g。
105gといえばだいたいきゅうり1本分の重さと同じ。僕にとってはほぼ重さを感じません。
M-ROKKOR 40m f2をライツ ミノルタ CLに装着
ライツ ミノルタ CLにM-ROKKOR 40m f2を装着するとこんな感じに。
当然ですが、デザインの整合性、サイズ感、質感ともにばっちり合います。
レンズの全長がわずか24.5mm。これはカメラボディの幅よりも薄いです。
重さが105gしかないわりに、安っぽい感じがなく、質感は上々。
ライカが設計したからか、ピントと絞りリングの動きが小気味良く、クルクル動かすのが病みつきになります。
CL用とCLE用の違いは僕が知っているなかでは2つあります。
1つ目はピントノブの形状。
CLE用は平たく少しだけ大きめに設計されています。
2つ目は、マウント側のカムの形状です。
CL用のレンズは傾斜カムと呼ばれるタイプで、Mマウントレンズにも関わらず、カメラの機種によっては距離計にズレが生じるとか。
一方CLE用レンズは平行カムになっているので、M2~4やデジタルM型ライカ等でも問題なく使用することができます。
僕が買った個体には幸運にも純正ラバーフードが付属していました。
ラバーフードは高級感こそありませんが、使わないときは折りたたんでおくことができ、コンパクトな状態で持ち運べるので便利。
フジカラー100を入れて試し撮り
カメラはライツ ミノルタ CL、レンズはM-ROKKOR 40mm f2、フィルムはフジカラー100の組み合わせで、色々な場所に出かけてきました。
東京
40mmという画角は、35mmや50mmに比べると馴染みが薄いものかもしれませんが、僕の持っているカメラではMinoltina-sやRollei35が同じ画角だったので、最初から違和感なく使うことができました。
狭すぎず広すぎずで、スナップするにも建築を撮るにも便利で使いやすいです。
基本的にはf8ぐらいまで絞り込んで撮っていますが、コントラストが高く、シャープでこってり濃厚な描写というのがこのレンズの印象です。
シャープで繊細さというより、線はやや太め。
糸魚川市
僕は35mmと50mmのレンズを使うことが多いです。
35mmは風景や建築を撮るときに、50mmはスナップを撮るときに重宝していました。
2本とも持って行きたくはないのでいつも出掛ける直前までどちらを使うか迷ってしまします。
でもこのM-ROKKOR 40mm f2があれば、35mmと50mmのいいとこ取りができるので、もう悩むことがなくなるんじゃないかと思っています。
白馬村
奥に写る森が黒く潰れて見えるのは、線がやや太めに描写されるM-ROKKOR 40mm f2の特性なのかもしれません。
でもけっして嫌な感じではなく、オールドレンズならではの味であると感じています。
長野市
長野市の夜景は、光の滲み具合をチェックするためにすべて絞り開放で撮影しました。
絞り開放なので、当然ながらやや甘く滲みが出ていますが、想像していたよりもだいぶ大人しめ。
かなり優秀なレンズじゃないでしょうか。
最短焦点距離は0.8mなのでテーブルフォトは少々厳しいかもしれませんが、風景や建築やストリートスナップ等々、幅広いシーンで活躍してくれるバランスの良い標準レンズと言えそうです。
作例は、下記の記事にもたくさん載せてあるので、こちらもぜひご覧ください。
M-ROKKOR 40mm f2(CLE用)スペック
- マウント:ライカMマウント
- レンズ構成:4群6枚
- 絞り: F2~16
- 最短撮影距離:0.8m
- フィルター径:40.5mm
- サイズ:直径51×長さ24.5mm、105g
- 発売年:1981年
やっぱり純正レンズが一番
使用感と撮れた写真をトータルすると「めちゃくちゃ良い!」です。
軽くてコンパクトな点が自分のスタイルに合うし、この1本で風景や建築やストリートスナップなど、幅広く使えるのも頼もしい限り。
そしてカメラとのバランスを考えるとやっぱり純正レンズは良いと感じました。
機動力が格段に上がったので、GWや夏休みは色々なところに出かけられそうです。