2017年に自身初めてのフィルムカメラ「ローライ35」を買いました。
その後、「キヤノン EF」→「ニコン F3」→「ニコン F2」→「オリンパスペンD3」→「ニコン F」と購入していき、この度ついに35mmカメラの源流である「バルナックライカ」を手に入れました。
自分の中でライカは憧れでありフィルムカメラのゴールだと考えていたので「こんなに早く手にしてしまっていいのだろうか?」や、今年はすでにオリンパスペンD3とニコン F を買ってしまったので「3台目は家族に怒られるかな?」などと色々なことを考えながらお店に向かいました。
さまざまな懸念事項があったものの、お店で実際にバルナックライカを触ってしまった瞬間…
即決でした。
買ったのはバルナックライカの“完成形”と言われている「ライカ IIIf」で、1952-53年ごろに製造された赤ダイヤルモデル。
噂には聞いていましたが、やはりライカは素晴らしいです。一つ一つのパーツの作り込みが細かくて、とても70年前のカメラとは思えません。
ライカ IIIfの詳しい説明は他のブログにお任せするとして、この記事では購入した店舗のことや一緒に入手したアクセサリー類のこと、さらにはカメラを手にした感動をお伝えしたいと思います。
▼他のフィルムカメラのことは下記の記事で紹介しています
ライカ IIIf は早田カメラで購入。安心の「生涯保証」付き
ライカ IIIf は東京・浅草の早田カメラで購入しました。
なぜ早田カメラで購入したかというと、
- オーナーが欧州で買い付けてきたライカの品揃えが充実している
- 買い付けてきたカメラをすべて自社で整備して販売している
- 早田カメラで購入したカメラやレンズには「生涯保証(自然故障に限る)」が付いている
ことなどが理由です。
「生涯保証」が付いているフィルムカメラ店はなかなかありません。というよりも日本で唯一かもしれません。
ライカ IIIfを買うときに「生涯保証ってすごいですね?」とオーナーに聞いたら、「70年前のカメラに6ヶ月保証をつけても意味ないでしょ?」という答えが返ってきました。
言われてみればその通りでユーザーとしてこれ以上安心なことはありませんが、だからといって販売したカメラの面倒をずっと見続けるのは大変な労力だと思います。
しかしこのようなサービスを続けるのは、カメラと客への愛、そして自分で整備した商品への自信があるからこそ。
素敵なお店です。
早田カメラの店内には、バルナック型ライカやM型ライカの他に、ローライなども充実していました。
舶来品カメラを探している人には、ぜひ訪れてもらいたいお店です。
- 店名:早田カメラ店
- URL:http://www.photobazar.jp/index.html
- 住所:東京都台東区浅草2-1-3
- 最寄駅:浅草駅
- 電話番号:03-3841-5824
- 営業時間:11:00〜19:30(木曜定休)
ライカ IIIf と、一緒に入手したアクセサリーたち
今回入手したアイテムはこちら。
ライカ IIIf、エルマー 5cm/f3.5、ケンコーのレンズフィルター、ボディ&レンズキャップ(カメラ付属品)、純正カメラケース(サービス)、フィルムカッターガイド(サービス)、カメラストラップ(サービス)、取扱説明書(サービス)。
バルナックライカを愛でるうえで必要なものが一通り揃いました。
ひとつずつ紹介します。
シリアルナンバーから1952-53年ごろに製造・販売されたと思われます。いまから70年も前のカメラです。
70年前にこのカメラを買ったのはどのような人だったのか。写真家や記者などのプロなのか?それとも金持ちのカメラ愛好家なのか?
妄想が膨らみますが、目立つ傷や凹みなどがないことから、過酷な環境で使うことが多いプロではなく、金持ちのカメラ愛好家が大切にしていたのではないかと想像しています。
カメラと同時代に起きた出来事をインターネットで調べてみたところ、1952年はサンフランシスコ平和条約の発効やアメリカで人類初の水爆実験が行われ、1953年はソビエト連邦の政治家であるスターリンの死去や登山家エドモンド・ヒラリーが人類で初めてヒマラヤ登頂に成功、さらに奄美群島が日本に復帰などがありました。
どのような人が使っていたのか、またそのカメラの時代を想像してみる。フィルムカメラを手にする楽しみの一つでもあります。
さて、話をカメラに戻します。
金属の質感と輝き、握ったときのフィット感、そして細部のパーツの作り込みなどにライカのすごさを感じます。
また、シャッター音もとても良く、ニコン F2のような豪快な「ガシャーン!」やオリンパスペン D3のような控えめな「チッ!」とは違い、上品な「シュッ!」という音を鳴らします。
ライカ IIIfは、カメラを操作する楽しさと写真を撮る喜びを味わわせてくれるのです。
70年も前にこのような繊細さとクオリティを出せたからこそ、ライカは今も昔も人々の憧れの存在なのだと思います。
購入したライカ IIIf には、細かなスレ傷はあるものの、凹みなどの致命的なダメージはありません。
もちろん、ファインダーや距離計にカビ・クモリもありません。
信じられないぐらいの「超美品」です。
「赤ダイヤル」というモデルは、シャッターダイヤルの下に記載されている数字(フラッシュバルブ)が赤字になっています。
黒ダイヤルとの違いはそれだけで、品質や性能に違いはないそうです。
カメラと一緒に購入したレンズは定番の「エルマー 5cm/f3.5」。逆光にも強いコーディング付きで、レンズを沈胴すればポケットに収まります。
Lマウントレンズは他にもありますが個性が強いので、まずはエルマーから始めるのがいいそうです。
低価格で入手しやすいズマールは、レンズのガラスが柔らかいため拭き傷がつきやすくぼわっとした写真になるとか。
大切なレンズを保護するためにケンコートキナー製の19mm MCプロテクターも買いました。
特注サイズのため少々高いですが、レンズを守るためには仕方ありません。
レンズフィルターを付けると通常のレンズカバーをつけられなくなるので、36mm径のものを用意する必要があります。
こちらはサービスとしていただきました。
こちらは早田カメラオリジナルのフィルムカッター。ライカを購入するとサービスしてくれます。
早速使ってみましたが、ガイドに合わせてフィルムを挟み、はみ出た部分をカッターで切るだけなのでとても簡単でした。
少々厄介なこの時代のライカの“お作法”も、これがあれば安心です。
なかなかいい状態のものが見つからないライカ純正の速写ケースもゲット。
レザーが少し乾燥気味だったので、汚れを落としてからオイルを塗ってあげました。
このようなアクセサリーひとつをとっても、ライカはカッコいいですね。
些細なことはどうでもいいと思わせてくれるカメラ
ライカ IIIf は、僕が所有しているニコン F2 やニコン F などと比べてしまうと、正直「使いにくい」カメラです。
ピント合わせ用とフレーミング用の別々のファインダーが存在するし、ファインダーは50ミリレンズ専用だし、最短焦点距離は1メートルだし、高速シャッターとスローシャッターのダイヤルが別々だし、装填前にフィルムをカットしなければいけないし…。
でもそんな仕様的なことはどうでもいいと思わせてくれるのがライカのすごいところ。
いまは初めてライカを手に入れた高揚感と幸福感に包まれています。
たくさん外に持ち出して、風景やスナップ、そして家族の写真を撮りまくりたいと思います。
▼ライカ IIIfで使えるLマウント標準レンズ
ライカ IIIf メモ
ライカ IIIf は、1950-57年の間に製造されたバルナック型ライカです。
フラッシュ同調機構、シャッタースピード1/1000秒、スローシャッター対応などの機能面が充実し、戦後に開発・生産されたため、品質や状態のよい個体が多いのが魅力です。
そのため、購入後のトラブルが少なく、ライカ入門にピッタリのカメラと言われています。
「バルナックライカ」とは、オスカー・バルナック氏が開発した世界初(1925年発売)の35ミリフィルムカメラのこと。木村伊兵衛氏などの名だたる写真家が愛用していました。
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