ペンD3を買ってから4ヶ月。今度は山本写真機店で伝説の名機「ニコン F」を買ってしまった

ニコン F

しばらくフィルムカメラは買わないと決めていたのに買ってしまった「オリンパスペンD3」。

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あれから4ヶ月が経ち、今度は、伝説の名機といわれるフィルムカメラ「ニコン F アイレベル(以下、ニコン F )」を買ってしまいました。

どうやら僕は、死ぬまで抜け出せない「フィルムカメラ沼」に落ちたようです。

しかしフィルムカメラ沼といっても、カメラを買うにはしっかりとした動機があるのです。

そこで今回は、なぜニコン F を買ってしまったのか、欲しいと思った経緯や運命の出会いまでの流れを書いていきたいと思います。

目次

ニコン F を買うつもりはなかった

半年前までは、ニコン F を買うつもりはありませんでした。

露出計はないし、シャッタースピードは1/1000までだし、裏蓋は取り外し式だし、デザインもあまり好みではなかったからです。

「ニコン F2 フォトミックA」を持っている僕にとって、機能が落ちるニコン F は必要のないカメラでした。

しかし、ニコン F の歴史や開発の経緯を知ったこと、そして赤城耕一氏著『フィルムカメラ放蕩記』の「ニコン F こそが、ニッポンのカメラ工業の誇り」という衝撃的な一文と出会って以来、「必要のないカメラ」から「いつかは欲しい憧れのカメラ」へと気持ちが変化していきました。

ニコンを世界トップのカメラメーカーへと押し上げた伝説のカメラを知ってしまった以上は、「買わない」という選択肢はありませんでした。

長野市の山本写真機店で運命の出会い

ヒマな時間にカメラファン山本写真機店のWebサイトを回遊する日々が始まりました。

候補をピックアップしては、「これは汚れが多い」「これは少し高い」「これはペンタプリズムに凹みがある」などと勝手に品定めをして取捨選択していく。

いいものが見つからないもどかしさと、目標に向かって突き進む楽しさの相反する2つの気持ちを感じながらこの数ヶ月を過ごしました。

そんななか、ある日突然見つけてしまいました。

山本写真機店のWebサイトで。

F アイレベル 程度3.8 28,000円(税込み)

山本写真機店の程度ランクは「5」が最大で、「2.5」が他店の「普通ランク」の商品。そのため「3.8」は美品に近いランクの商品ということになります。

値段も手ごろだったため、さっそく実物を見に行って行きました。

山本写真機店
ニコンやキヤノンなどの国産メーカーから、ライカやハッセルなどの海外のメーカーのカメラまで揃う山本写真機店
(1年前にローライ35で撮影)

そこにあったのは、外観に傷らしい傷や汚れがまったくない「超美品」のニコン F。シャッタースピードなども問題なさそうでした。

ニコン F によく見られるプリズムの腐食もありません。

こんなに綺麗なニコン F が、地元長野のお店で28,000円というお買い得価格で売られている。さらに6ヶ月保証も付いてくる…。

ニコン F アイレベルを即決
この機会を逃したらもう出会えない気がした…

即決でした

中古でしか買うことができないフィルムカメラとの出会いは、まさに一期一会。

カメラの状態がよくても、価格、保証、お店の対応などのさまざまな条件が合致しなければ購入にはいたりません。

今回はすべてが合致して良い買い物ができました。

購入したニコン F アイレベルは中期モデル

購入したニコン F アイレベルは1969年製。

ニコン F 中期モデル
ニコン F 中期モデル

1959年から1973年まで15年も製造されたニコン F の「中期モデル」に該当します。

中期モデルの刻印は「Nikon」
中期モデルの刻印は「Nikon」

余談ですが、シリアル番号が640万から始まる「初期モデル」は、シャッターボタン付近の文字が「Nikon」ではなく「日本光学」マークになっており、高値で取引されるコレクション向けのカメラです。

たまたま山本写真機店に在庫があったので価格を見てみると、傷や汚れが多いのに僕が買ったカメラの倍以上の値段が付けられていました。

でもそれだけ価値があるということのようです。

中期モデルまでは巻き上げレバーがオール金属製
中期モデルまでは巻き上げレバーもオール金属製のため、元々狙っていたもの

中期モデルまでのニコン F は、プラスチック素材の使用はごくわずかで、金属質かつ直線的なデザインが本当に美しいカメラです。

ニコン F の象徴は、この三角形のペンタプリズム
この三角形のペンタプリズムは、ニコン F の象徴

デザインしたのは、1964年の東京オリンピックのロゴやポスターを手掛けた亀倉雄策氏。

カメラファンで公開されている赤城耕一氏の記事に「その金属皮質と角ばったフォルムは手に馴染むとは言い難く、抵抗感すら与えるが、これにより撮影者は覚醒するのである。」とありましたが、まさにその通りだと思いました。

手にフィットしないけれど、そんなことは気にならない
手にフィットしないけれど、そんなことは気にならない

まったく手にフィットしないのに、何度でも握りたくなるから不思議です。

眺めているだけで楽しめるニコン F アイレベル
眺めているだけで楽しめるニコン F アイレベル

しばらくはデスク脇に飾って、眺めたり、触ったり、空シャッターを切ったりして、ニコン F が持つ空気感や威厳を楽しみたいと思います。

フラッグシップ機「ニコンF一桁 3兄弟」が揃った

「ニコン F一桁 3兄弟」が揃った
「ニコン F一桁 3兄弟」が揃った。左から、F、F2、F3。

ニコンの歴史を検証するかのようにFシリーズを買い集め、ついに「ニコンF一桁 3兄弟」が揃いました。その記念に3つ並べて撮影してみました。

長男のF には威厳が、次男のF2 には重厚感が、三男のF3 にはスタイリッシュさがあるように感じます。ニコンの歴史と技術が詰まった「F一桁 3兄弟」は、それぞれに個性があってかっこいいです。

今後は、後継機のF4 やF5 を買うのか、それともアイレベルブラックやフォトミックFTN などF の別モデルを買うのか…、物欲と相談しながら決めていきたいと思います。

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おわり

このきれいなニコン F を、低価格で、しかも県内のお店で買うことができてとても満足しています。

実は、ニコン F と同じタイミングでオールドレンズ「AI Nikkor 50mm f/1.4S」も買ったので、それはまた別の記事で紹介したいと思います。

▼次男のニコン F2の記事もどうぞ!

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