【オリンパス ペン S レビュー】ペン D3の原点を辿る。究極のミニマルハーフカメラ

オリンパス ペン S 究極のミニマルカメラ

オリンパス ペン D3に魅了されてから約2年——

ハーフサイズカメラの魅力にどっぷりハマった中で、ついに「原点回帰」とも言える1台に出会いました。

それが、1960年に登場した機械式ハーフサイズカメラ「オリンパス ペン S(Olympus Pen S)」です。

小さなボディに最低限の機能のみを搭載したこのカメラは、まさに“究極のミニマル”と呼ぶにふさわしい存在。

ペンD3と比べると、露出計もなく、電池も不要。

設定はすべて手動の完全マニュアル操作です。

それでも、いや、だからこそ感じられるフィルム撮影の醍醐味。

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目次

オリンパス ペン S の特徴とスペック

【オリンパス ペン S レビュー】ペン D3の原点を辿る。究極のミニマルハーフカメラ
オリンパス ペン S は究極のミニマルハーフカメラ

電子部品を一切持たないため、気候やバッテリーの影響を受けず、いつでもどこでも使える安心感があります。

ペンD3に比べるとさらにコンパクトで軽量。

【オリンパス ペン S レビュー】ペン D3の原点を辿る。究極のミニマルハーフカメラ
スナップショットにピッタリのカメラ

ポケットにすっぽり収まり、巻き上げから撮影まで片手で完結できる操作性は、スナップシューターにぴったりです。

  • 発売年:1960年(ペンシリーズ第2世代)
  • レンズ:D.Zuiko 30mm F2.8
  • シャッター速度:最大1/250秒
  • ピント合わせ:目測式(3段階)
  • ファインダー:素通し(ノンパララックス)
  • 露出計:なし
  • 電池:不要
  • 重量:約300g
  • 公式サイト

D3との比較:操作性と設計思想の違い

【オリンパス ペン S レビュー】ペン D3の原点を辿る。究極のミニマルハーフカメラ
レンズには「D.Zuiko 30mm F2.8」を搭載

オリンパスペンD3は、露出計を内蔵し、F1.7の明るいレンズを搭載した高性能モデル。

【オリンパス ペン S レビュー】ペン D3の原点を辿る。究極のミニマルハーフカメラ
スリムでクラシカルな外観

一方、ペンSは露出計なし、F2.8と控えめなレンズながら、全体的にスリムでクラシカルなデザインが特徴です。

【オリンパス ペン S レビュー】ペン D3の原点を辿る。究極のミニマルハーフカメラ
オリンパス ペン S と ペン D3の比較

D3はピントレバーが鏡胴の根元にあり誤操作しにくい構造ですが、Sはピント・絞り・シャッター速度すべてがレンズ鏡胴部で操作されるため、慣れるまでは少し注意が必要です。

【オリンパス ペン S レビュー】ペン D3の原点を辿る。究極のミニマルハーフカメラ
「撮る楽しさ」を味わえるカメラ

ただし、誤操作を含めた不完全さすらも「撮る楽しさ」として味わえるのがこのカメラの不思議な魅力。

オリンパス ペン Sで撮る、スキー場のスナップ

フィルムはFUJICOLOR 100。

絞りはF8〜F22あたりで撮影。

【作例・レビュー】Olympus Pen S_1
【作例・レビュー】Olympus Pen S +FUJICOLOR 100

天気の良い雪山でのカットは、しっかりと彩度が出て、レトロで優しいトーンに仕上がりました。

【作例・レビュー】Olympus Pen S_1
【作例・レビュー】Olympus Pen S +FUJICOLOR 100

オールドレンズ特有のもやっとした描写や、逆光による柔らかなフレアが、どこか懐かしさを感じさせてくれます。

青系の発色も良好で、スマホ表示で見る限り解像度も十分。

【作例・レビュー】Olympus Pen S_1
【作例・レビュー】Olympus Pen S +FUJICOLOR 100

ハーフサイズの楽しさは、1コマずつでも2コマ並びでも表現ができる点にあります。

【作例・レビュー】Olympus Pen S_1
【作例・レビュー】Olympus Pen S +FUJICOLOR 100

ペンSも例に漏れず、2枚の写真を“組写真”として構成することで、物語性のある1枚に仕上げることが可能です。

【作例・レビュー】Olympus Pen S_9
【作例・レビュー】Olympus Pen S +FUJICOLOR 100
【作例・レビュー】Olympus Pen S_9
【作例・レビュー】Olympus Pen S +FUJICOLOR 100
【作例・レビュー】Olympus Pen S_9
【作例・レビュー】Olympus Pen S +FUJICOLOR 100
【作例・レビュー】Olympus Pen S_9
【作例・レビュー】Olympus Pen S +FUJICOLOR 100

夕方の光や逆光のときに撮ると、盛大なフレアやゴーストが発生し、オールドレンズらしい味わい深い写真も楽しめます。

まとめ:Pen Sが教えてくれた“ちょうどよさ”

【オリンパス ペン S レビュー】ペン D3の原点を辿る。究極のミニマルハーフカメラ
オリンパス ペン Sは、ハーフカメラ入門としても、サブ機としても活躍してくれるカメラ

ライカ M5ニコン F2 フォトミックAといった当時のフラッグシップ機を複数所持している僕にとって、オリンパス ペン Sはある意味で“手放せない1台”になりました。

「そんなに高性能じゃなくていい。大切なのは、自分で考えて撮ること」

このカメラは、そう教えてくれているような気がします。

中古価格も手頃で、フィルムカメラ初心者の方にもおすすめ。

ハーフサイズカメラのエントリーモデルとしても、ベテランのサブ機としても十分に活躍してくれるカメラです。

使用した機材

今回使用した機材のリンクを貼っておくので、参考にどうぞ。

ハーフサイズカメラが気になる方へ

オリンパス ペン D3ペン Wの作例や使用感も、こちらの記事で詳しく紹介しています。

フィルムカメラ選びの参考に、ぜひあわせてご覧ください。

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