せっかく手に入れたライカ IIIf。
レンズはエルマー 50mm f3.5だけでも十分なのですが、カメラの魅力を最大限発揮するために、中望遠レンズのエルマー 90mm f4を手に入れました。
それと同時に、90mmファインダー SGVOOとエルマーズームフードも入手。
いずれもライカ純正品です。
ライカ IIIfにそれらすべてを装着すると、クラシカルな雰囲気が倍増してかなりいい感じ。
眺めているだけで気分が上がる今回の購入品ですが、シャープな描写力はなかなかのもの。
今回は購入した商品の紹介と、撮影した画像を掲載したいと思います。
ライカ エルマー 90mm f4
エルマー 90mm f4は、1931年から製造されてきたライカの中望遠を代表するレンズ。
中望遠レンズにもかかわらず軽量&コンパクト(長さ8.4cm・重さ295g・フィルター径34mm)で持ち運びしやすいため、当時から人気があったそうです。
ぼくが購入したのは1955年製のLスクリューマウントレンズで、
- コーティングあり
- 外観はクローム仕上げ
- 距離表記はメートル
- 鏡胴基部にグッタペルカ
という実用的なモデルです。
外観に目立った傷はなく、前玉と後玉も比較的綺麗な個体。
そもそも「めちゃくちゃ欲しい!」と思っていたわけではないのですが、ふらっと立ち寄った東京のフィルムカメラ店で15,000円で売られていて、ついつい安さと状態の良さに惹かれて買ってしまいました。
桜の季節も近かったので、中望遠レンズで撮ってみたいと思ったのも購入した理由のひとつ。
エルマー 90mm f4といえば2~3万円ぐらいの価格帯のイメージでしたが、購入したモデルは生産数が多く現在でも良い状態の個体が多いため、比較的低価格なんだそうです。
その一方で、これよりも前に製造されていたブラックニッケルのエルマー 90mm f4は生産本数が少なく高価なことが多いです。
▼エルマー 90mm f4
▼34mm径フィルター
ライカ 90mmファインダー SGVOO
バルナックライカで50mm以外のレンズを使う場合に必須なのが外付けファインダー。
購入したのは、ライカ 90mmファインダー SGVOOという、画角固定のタイプ。
画角固定のファインダーは見え味が抜群で「裸眼よりもよく見える」なんて言われたりもしています。
35/50/90/135mmに画角を変更できるユニバーサルファインダーという選択肢もあり、これは複数のレンズを使うときに便利なファインダーなのですが、望遠側にしたときに画角が小さく見えづらくなるのがデメリット。
オールドライカの技術力の高さを味わうなら、画角固定ファインダー一択です。
購入したのは前期型のモデルで、前面の刻印は9cmになっています。
パララクス補正機能はメートル表記。
ファインダー内はクリアー、外観に目立つ傷もほぼなしで価格は2万円ぐらい。
90mmに限らずファインダーは、状態が良いものを見つけやすいです。
ライカ エルマーズームフード FIKUS
ライカにはズームフードという、レンズに合わせて長さを調整できる便利なフードがあり、ぼくもそれを購入しました。
このフードは、径の異なる2つの筒で構成されていて、内側の焦点距離目盛に外側の筒を合わせてネジで固定する仕組みになっています。
このフード1つで50/90/135mmの3本のレンズに対応できて便利なのですが、エルマー50mmに装着すると絞り操作がしづらいので、ほぼ90mmレンズ専用のフードとして使っています。
ファインダーにも言えることですが、昔の製品に便利さを追求すると使用感に関わるデメリットを背負うことになるようです。
購入アイテムを全部装着
今回購入したエルマー 90mm f4、90mmファインダー SGVOO、FIKUS エルマーズームフードを全部装着して記念撮影。
すべてが~70年前のアイテムになりますが、デザインや醸し出される雰囲気がクラシカルで渋すぎます。
やはりクラシックカメラというものは、機能性や利便性だけではなく、そのデザインや雰囲気も大事だな、と改めて実感しました。
まとめとレビュー
いつも現像をお願いしているカメラはスズキさんから現像データが戻ってきたので、何枚か掲載します。
印象としては、コントラストや彩度の低下はあまり感じず、年代のわりにシャープな写りでした。
フィルムカメラにおいて50mm以上のレンズは初めてでしたが、望遠ならではの圧縮感が面白いですね。
標準レンズの次に買うレンズとして最適。
写りはいいしコンパクトだし、予備レンズとして常時携帯したくなります。
ただ懸念点というか面倒だな、と感じる点が2つあります。
1つ目は、普段ぼくが使っているフォクトレンダーのVCメーターIIと90mmファインダーの併用ができないこと。
2つ目は、Lスクリューマウントのレンズ交換には思っているよりも時間がかかること。
バヨネットマウントはワンタッチで脱着できるのに対して、スクリューマウントはねじねじと何回も回し込まないといけないので、時間がかかるし、立ちながらレンズ交換をするとなかなかネジ山が合わなくてちょっとイライラします。
70年前に製造されたライカ IIIfならではの悩みで、M型ライカにすることでそれらの悩みは解決できそうです。
もしいい個体との出会いがあれば…、買ってしまうかも…!
レンズの描写力には感動しつつも、新たな物欲が芽生えた2023年の春でした。
▼ライカ IIIfを買ったときの話はこちら
▼ライカ IIIfのレビューはこちら