元祖高級コンパクトフィルムカメラ「ローライ35」。
手のひらに収まるサイズ感は、恐らくフィルムカメラにおける最小サイズ。
小さくて可愛らしい見た目だけれど、ライカなどを輩出したドイツのカメラだけあって、写りも抜群。
そんなローライ35を持って、2021-22年春は色々な場所に行きました。
その中でも今回は「山」にフォーカスした写真をまとめたいと思います。
ローライ35ってこんなカメラ
1967年にローライ社から発売された35㎜機械式フィルムカメラ。
ローライ35には、ドイツ製とシンガポール製があって、レンズはカールツァイス製のテッサーやゾナーなどがあります。
僕の持っているのはシンガポール製でF3.5テッサーレンズを搭載したもの。
巷ではドイツ製のほうが評価が高いようですが、僕には違いはわからないので、少しだけ安いシンガポール製で十分満足しています。
※ローライ35の詳しい情報はカメラのナニワさんのブログにまとめられています
彩度とコントラストが高くて好みな写り
ローライ35は僕にとって初めてのフィルムカメラで、2017年に購入しました。かれこれ5年の付き合いになります。
購入して以来フィルムカメラの魅力にはまり、キヤノンEF、ニコンF3、ニコンF2、オリンパスPEN D-3と全部で5台所有するまでになりました。
その中でも、彩度とコントラストが高くて、こってりした写真になります。個人的に「写り」に関しては一番好み。
しかし、ニコンF3やF2などの最高峰一眼レフと比較すると、操作感にどうしても物足りなさを感じてしまうのも事実。
- 巻き上げレバーはそっと戻さなければいけない
- シャッター音が「チッ」という軽い音
- ピント合わせは目測式のため厳密なピントがわからない
という感じに。
そもそも比較するのがおかしいのですが、このような理由から自分の中にブームがあって、使ったり使わなかったりしています。
雨飾山
長野県小谷村の百名山「雨飾山」。
優しい稜線と深い緑が印象的な山でした。
標高2,000メートルに満たないのですが、山体が美しく、登り応えがありました。
空の青と、木々の緑のコントラストが良い感じに表現できました。
こちらは雨飾山の山頂から登山道を見下ろしている写真。
登山道が左を向いている女性の横顔に見えるのわかりますか?
これは「女神の横顔」と言われていて、雨飾山を象徴する景色です。
小蓮華山・白馬大池
屋根も壁も真っ赤で可愛いらしい外観の白馬大池山荘。
建てられてから時間が経ち、さらに厳しい環境にさらされたようで、建物にはだいぶ年季が入っているように見えましたが、フィルムで撮ると味わいが増します。
白馬大池山荘の目の前にはテント場と白馬大池があります。
天気がいい日にのんびりテント泊がしたい。
せっせとテントを設営する人がいれば、休憩する人もいます。
白馬大池やその周辺の地形は、近くにある白馬乗鞍岳の噴火が影響して形成されました。
池の周囲にあるゴツゴツした岩は、噴出物の一部です。
9月下旬は紅葉の最盛期で、斜面には黄金色の絨毯が敷かれたような輝きを放っていました。
この日は、小蓮華山と白馬大池の中間地点にある船越ノ頭まで行きました。
船越の頭へ行く道中に後ろを振り返るとミニチュアになった白馬大池山荘の姿が。
船越ノ頭に到着。
とにかく爆風で、立っているのがやっと。
すこしでも気を抜くと谷底まで吹き飛ばされそうな勢いでした。
なぜそんな爆風の中で船越ノ頭を目指したかというと、この小蓮華山の稜線を見たかったから。
空に向かって伸びていく稜線と両斜面の紅葉。
美しすぎます。
栂池自然園
栂池湿原は、標高1,900メートルの場所に広がる高層湿原です。
10月上旬、こちらも紅葉の最盛期に訪れました。
園内は木道が整備されているので、とても歩きやすい。そのおかげで写真撮影に集中できます。
以前はこのような風景を撮影するときは、人がいなくなるのを待っていましたが、いまは人を入れて撮ることが多くなりました。
人がいたほうが、そのときの状況や服装の流行もわかるので、後々見返したときに写真としての面白さがあることに気が付きました。
だから混雑していても全然気になりません。
白馬乗鞍岳バックカントリー
白馬乗鞍岳バックカントリーにもローライ35を連れて行きました。
やっぱり、軽くて小さいことは最強の強みです。
栂池ロープウェイを降りて、ハイクアップの準備をしているところ。
色々なパーティがいて面白いです。
ドロップインポイントまでは、荷物を担いでひたすらハイクアップ。
真っ白な背景の中に、点々と人が歩いています。
ハイクアップの途中に見つけた、風によって作られた雪の模様。
山用語で「シュカブラ」といいます。
白馬三山をバックにハイクアップするパーティを撮りました。
この日一番お気に入りの写真。
2時間ぐらいで天狗原に到着。
目の前にあるのが、このあと滑る白馬乗鞍岳の斜面です。
まだまだ登るので休憩しつつシャッターを切りまくっていたら…、ここでフィルム切れ。
あまり撮らないだろうと思ってフィルムを1本しか持っていかなかったため、山頂に到着する前に撮り終えてしまいました。
痛恨のミスです。
次回からはいかなる状況でも予備のフィルムを持っていこうと思います。
おわり
改めて振り返ってみると、ローライ35で撮れたのは好きな写真ばかりでした。
最近はニコンF2がマイブームでしばらく使っていなかったので、久しぶりに撮りに行きたいと思いました。
では、また!
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