今回はオールドレンズのレビュー。
最近、僕のメインレンズになりつつある「ニコン NIKKOR-S・C 50mm F1.4(L39スクリューマウント)」です。
明るくて、45センチまで近接できて、ライカ純正レンズよりも安い。というのがこのレンズの魅力。
このレンズを知れば、高価なライカ純正レンズを買わなくてもいいかも?と思えるかもしれません。
ニコン NIKKOR-S・C 50mm F1.4L
NIKKOR-S・C 50mm F1.4Lは、1950年に発売開始され、niccaなどの国産レンジファインダー機の標準レンズとして供給されたもの。
同時代の標準レンズといえば、ライカ ズミクロン50mm F2(沈胴)やキヤノン セレナー50mm F1.8などがありますが、レンズの明るさはNIKKOR-S・C 50mm F1.4が一歩リード。
距離計非連動のため目測での判断が必要となりますが、45センチまで近接できる点がこのレンズ最大の魅力。
いままでは諦めていたテーブルフォトもいけちゃいます。
この時代のほとんどのレンズの最短撮影距離は1メートルのため、この点はかなり優位性が高いです。
それでいて、価格相場が2023年の時点でズミクロン50mm F2(沈胴)は8~12万円ぐらいなのに対して、NIKKOR-S・C 50mm F1.4は3~8万円ぐらい。
半額程度で買えてしまうのはお得というほかありません。
僕が持っているM・Lマウントのレンズを並べてみました。
左から、エルマー50mm F3.5、キヤノン セレナー35mm F2.8、ズマロン35mm F3.5、NIKKOR-S・C 50mm F1.4、エルマー90mm F4です。
マットな質感のズマロンやエルマー90mmと比べると艶やかで、全体からクラシックレンズらしい雰囲気が漂っています。
L/Mマウントアダプターを付けて、愛機のライカ M5に装着してみました。
それぞれの発売時期には約20年の差があるため、時代感は合っていませんが、意外としっくりきています。
今度はライカ M3に装着。
ボディと比べると光沢感が目立ちますが、こちらもよく似合っています。
最後はライカ IIIfに装着。
M型ライカと比べると小さいライカ IIIfに対しては、エルマーのほうが似合うかもしれませんが、悪くはありません。
このレンズはライカLマウントのオールドレンズなので、マウントアダプター無しで、バルナック型ライカはもちろんのこと、キヤノンPや7などにも装着できます。
ライカ M5とフジカラー100で試写
ライカ M5+ NIKKOR-S・C 50mm F1.4で撮影してきました。
フィルムはフジカラー100です。
コントラストが高く鮮やかな写りで、かなり自分好み。
良い色が出ています。
レンズの特性として開放付近では甘い描写になるのですが、F4以上絞るとシャープな写りに。
この記事にアップしている写真はF8ぐらいまで絞っています。
解像感もなかなか良く、草の1本1本がよく見えています。
空のグラデーションも綺麗です。
「45センチまで寄れることが最大の魅力」と紹介しておきながら、近接撮影をし忘れてしまったのは痛恨の極み。
次回撮影したらこちらにアップしたいと思います。
【結論】綺麗な個体を見つけたら早めにゲットしよう
NIKKOR-S・C 50mm F1.4の良いところばかりを紹介してきましたが、あえてイマイチな部分を挙げるとすれば、ピントリングや絞りの操作感でしょうか。
整備することである程度解消される可能性もありますが、滑らかに回転してくれるズマロンと比べると、やや固い感触に感じてしまいます。
気になる人は気になるかも。
しかしながら、F1.4の明るさがあって、45センチまで寄ることができるレンズが、5万円前後で買うことができる。
コスパが最高に良いので、純正レンズのサブ的な位置づけで買うのはもちろんのこと、これからライカを買おうという人の最初の一本としてもオススメです。
特に後者は、NIKKOR-S・C 50mm F1.4を選択肢の一つにすることで、ライカオーナーになる敷居が何段も下がることでしょう。
ニッコールのLマウントレンズは生産本数が少なく、しかも発売開始から70年が経過しているため、状態の良い個体を探すのが難しくなってきています。
良い個体を見つけたら早めにゲットしちゃってください。
というわけで、NIKKOR-S・C 50mm F1.4のレビューでした。
★ライカについては他にも関連記事を書いているので、そちらも参考にしてみてください★