6月、コペンハーゲン、ベルリン、パリ、ウィーン、イスタンブールのヨーロッパ5都市を巡る2週間の旅行に行ってきました。
コロナ禍でしばらく海外に行けなかったので、現地で美味しいものを食べたり、美術館巡りをしたり、現地の風土や雰囲気を感じたり、異国での体験を楽しみにしていました。
それらと同じぐらい楽しみにしていたのは、愛用のフィルムカメラ「Leica M3」でヨーロッパの街並みを撮影すること。
気合いを入れて結構前から準備をしてきたので、レンズは「エルマー 50mm F3.5」、「エルマー 90mm F4」、「キヤノン セレナー 35mm F2.8L」の3本を、フィルムは20本以上持っていきました。
トラブルもありましたが、無事に現像が終わったので、旅の思い出を振り返ってみたいと思います。
コペンハーゲン編、ベルリン編に続いて、第三弾の今回は「パリ」編。
▼コペンハーゲン編はこちら
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世界中の人が憧れるパリの街並み
世界中の人が憧れるパリの街並みは、石造りで重厚感がありながらも、テラスの手すりなどの細部はデコラティブで唯一無二の存在感を放っていました。
華やかで統一感のある街並みが本当に美しかったです。
パリではベランダで花を育てている人が多かったです。
特に赤い花が多く、それが街の景観や雰囲気に良い影響を与えていました。
パリの街には、「パリっぽい」と感じさせる芸人や職人がたくさんいました。
パリ市民に愛された写真家 ロベール・ドアノーの写真で有名なパリ市庁舎前では、たくさんの人が行き交う中、シャボン玉を飛ばす大道芸人がいました。
ノートルダム大聖堂の前ではクラシカルなカメラを模したケースにデジカメを入れて撮影してくれるサービスなんかもありました。
撮影したデータはその場でプリントしてくれるようでなかなか好評。
絵描きもたくさんいました。さすがは芸術の都パリ。
このときは体力的に限界だったのでサッと通り過ぎてしまいましたが、どのような絵を描いているのか観せてもらえばよかったです。
セーヌ川には個性的なデザインの橋がたくさんかけられていました。
ノートルダム橋は、フランス革命時にマリーアントワネットが牢獄されていたことで有名なコンシェルジュリーの写真スポット。
さりげないけれど、しっかり主張してくる鉄柵のデザインがカッコいい。
石造りのプティ・ポン橋は歴史を感じさせる重厚な造りです。
奥に連なる街並みも素敵。
パリの橋は、街の景観を損なわないように設計・デザインされています。
歩道の右側にある緑の箱は、17世紀以来パリの名物になっている露天古本屋で、「Bouquiniste(ブキニスト)」といいます。
蓋が屋根の役割になっていて、箱の中に入っている古本やポスターをディスプレイします。
この日は朝が早かったせいか営業している店舗はありませんでしたが、別の日に行ったときは結構賑わっていました。
時間があれば散策ついでに掘り出し物を探してみるのも楽しそうです。
パリにはオシャレな人が集まるのか、パリだからオシャレに見えるのか。
とにかくオシャレでカッコいい人がたくさんいました。
フランスは警察官もすごくカッコいい。
帽子のデザインもいいですね。
オシャレなカップル。
パリにはフランスパンを抱えて歩く人が本当にいました。
昼頃にパン屋に行くと、会社員風の人たちがサンドや総菜パンではなく、フランスパンを買っていく人が多かったのですが、これもパリらしい光景だなと思いました。
建物の壁に描かれた壁画もパリの見どころのひとつ。
こちらは、ポンピドゥー・センター近くにあるジェフ・アエロソル氏の作品「Chuuuttt !!!」。
かなり有名な作品なので、近くに行く予定がある人は要チェックです。
大小さまざまな壁画がパリの街に溢れています。
パリで一番美しい公園 リュクサンブール庭園
恐らくパリで一番美しい公園はリュクサンブール庭園です。
イタリア風の宮殿とピシッと整備された庭園が美しい。
たくさんの人がいたのですが、敷地が広々しているので、快適に過ごすことができます。
この宮殿と庭園は、マリー・ド・メディシス妃が金にものを言わせて17世紀に造らせたもので、当時は色々な反発もあったかもしれないけれど、いまは市民と観光客にとってオアシスのような場所になっていました。
読書をする人がいれば、昼寝をする人もいる。
僕らはパンとチーズを買ってきてここで朝食を食べました。
のんびりとパリの空気を感じることができて、一番印象に残る時間になりました。
ヨットの玩具をレンタルして、庭園内の水場で遊ぶのが子供たちの中で流行っているようでした。
リュクサンブール公園に限らずパリの大きな公園には、固定式のベンチの他に、自由に移動できる椅子がたくさんありました。
眺めの良いところや日陰など、自分の好きな場所を見つけて休憩できるのが良いなと思いました。
パリの美術館巡り
パリといえば美術館巡り。
僕たちも美術館巡りをすることを一番の目的としていたので、ポンピドゥー・センター、オルセー美術館、ルーブル美術館、オランジュリー美術館、アンリ・カルティエ・ブレッソン財団と、時間と体力が許す限りアートに触れてきました。
アンリ・カルティエ・ブレッソン財団以外は事前に予約をしておいたため、スムーズに入館することができました。
当初は行く予定にありませんでしたが、ルーブル美術館にも行ってきました。
外観とガラスのピラミッドを撮ったこの写真は、空港のエックス線検査機のせいで右側が感光してしまっているのがちょっと残念。
館内には美術学生とみられる人たちが、彫刻などを模写していました。
マネやドガなどもここで模写することで技術を磨いたそうなので、この人たちも数年後には世界的なアーティストになっているかもしれないですね。
名作がしっかり映えるように展示されていたのが印象的。
エーゲ海のサモトラケ島で発見されたヘレニズム彫刻の最高傑作であるサモトラケのニケは、階段の踊り場に展示されていて、近くに寄って細部を観察したり、階段から見上げてみたり、また写真のように2階部分から見下ろして全体を俯瞰で観ることもできます。
特にサモトラケのニケは、観る場所によって色々な印象を持つことができるため、階段の踊り場は良い展示場所だなと感心してしまいました。
有名作品の前にはたくさんのお客さんがいる一方で、古代美術品などのちょっとマイナーな作品が展示されているエリアはガラガラだったり。
ルーブル美術館は広すぎるので、「主要作品を効率的に観て回ろう」というのが多くの人の思惑だったようです。
僕らもまさにそれでした。
印象派の作品が大好きな僕は、オルセー美術館に行くのを一番楽しみにしていました。
オルセー駅の駅舎を再活用した立派なオルセー美術館は、歴史的な作品を展示するのにふさわしい建物でした。
マネ、ドガ、モネ、ルノワール、カイユボットなど、絵画の歴史を変えた名作を観ることができて大満足。
通常の展示の他に、特別展として「マネ/ドガ展」をやっていました。
裕福な家庭で育ったこと、モーチーフとしたもの、年齢など、何かと共通点が多い二人ですが、両者の作品を比較していくことで違った一面が見えてくる面白い展示でした。
こちらは、モネの大睡蓮を展示するために作られたオランジュリー美術館。
大睡蓮は、モネ最後の傑作。
自然光が入る2つの部屋に、朝、夕、雲など、時間や景色が微妙に異なる8つの作品が展示されていました。
光の移り変わりを追い続けたモネは、大睡蓮の日没のシーンをあと少しのところで描き切れず、この作品とともに力尽きました。
パリの街並みで異彩を放つ近代的な外観のポンピドゥー・センター。
マティスやシャガールなどの1900年代初期の作品から、1960年代以降の現代アートまで、膨大な作品が展示されていて、全部観るのに半日ぐらいかかってしまいました。
体力を大幅に持ってかれてしまったので、もう少し作品を絞って効率的に回るべきだったと、ちょっとだけ反省。
アンリ・カルティエ=ブレッソン財団はその名の通り、「決定的瞬間」で有名なブレッソン作品を観ることができる場所。
僕らが行ったときは「もう一つの戴冠式」という展示をやっていて、1937年5月にロンドンで行われたジョージ 6 世の戴冠式の様子を収めた写真が展示されていました。
ブレッソン作品の面白いところは、戴冠式自体をメインに撮影するのではなく、そこに集まる民衆の中にある決定的な瞬間を狙っていたこと。
構図や切り撮るシーンなど、写真好きとしてとても勉強になりました。
おわり
長くなってしまったので、続きは別の記事にアップします!
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