「【ニコン S3】フィルムカメラと東京名建築巡り Vol.1」の続き。
今回は、丸の内・有楽町・銀座周辺の名建築巡りです。

この日は、カメラはNikon S3、レンズは世界の中古カメラ市で手に入れたばかりのW-NIKKOR C 3.5mm F2.5を使いました。
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丸の内・有楽町・銀座周辺
丸の内エリアは近代名建築の宝庫で、個人的にも大好きな戦後の建築が多数存在しています。
帝劇ビル(国際ビルヂング)

夕日を浴びて黄金色に輝く帝劇ビル。
とてもクラシカルで、気品を感じられる美しい建築です。
「帝国劇場」の文字を、側面や屋上ではなく、縦書きで角に配置しているのもセンスの高さを感じます。

W-NIKKOR C 3.5mm F2.5をF8ぐらいまで絞って撮っていますが、さすがニッコールレンズと思える解像度です。
隅々までシャープに写してくれるので、建築撮影にはピッタリのレンズでした。

丸の内エリアを象徴するこの帝劇ビルは、2025年から閉館と再開発に入るそうです。
防災機能や利便性の向上、さまざまな社会的なニーズに応えることが大きな目的なんだとか。
時代とともにブラッシュアップが必要なの仕方がないことですが、こういった戦後の美しい建築が少しずつ姿を消してしまうのはちょっと残念。
- 竣工:昭和41年(1966年9月)
- 設計:ー
- 指定・登録:ー
- 住所:東京都千代田区丸の内3-1-1
明治生命館

日本における古典主義様式の最高傑作ともいわれる明治生命館。
側面に配置された太い列柱が印象的で、ヨーロッパの史跡のような貫禄を感じます。
奥の近代的な高層ビルとのコントラストも素晴らしいですね。
設計は、現在の東京都美術館や歌舞伎座などを手掛けた岡田信一郎。
様々な建築様式を用いて名建築を生み出している点は興味深いです。
館内を一般公開しているそうなので、次回はじっくり見学してみようと思います。
- 竣工:昭和9年(1934年3月)
- 設計:岡田信一郎
- 指定・登録:国の重要文化財
- 住所:東京都千代田区丸の内2-1-1
新有楽町ビルヂング

新有楽町ビルヂングは、外観の青いタイルと角丸の窓枠がモダンな印象の建築。
このようなオフィスビルで働いていたら、いつも以上に良い仕事ができそうな気がします。
個人的に大好きな新有楽町ビルヂングも、帝劇ビルとほぼ同じ理由での建て替えが決定しているため、数年以内に見られなくなります。

日本では、築50年以上の歴史的建造物は登録有形文化財として保存対象になり得るのですが、それ以前の建造物は再開発の対象として狙われやすいそうです。
- 竣工:昭和42年(1967年)
- 設計:ー
- 指定・登録:ー
- 住所:東京都千代田区有楽町1-12-1
東京駅
東京駅の写真は数ヶ月前に撮影したので、Leica M5+SUMMICRON 50mm F2を使って撮影しています。

赤レンガの外壁が美しい東京駅の駅舎は、建築家・辰野金吾の代表作です。
僕は、この洗練された高層ビルとのコントラストが好きで、東京駅に降り立つと毎回写真を撮ってしまいます。

しかし、いつも午前中に東京駅に着くスケジュールになってしまうので、逆光で駅舎に影が落ちた写真ばかり。
次回はぜひ午後から夕方前の時間帯に訪れてみたいです。
- 竣工:大正3年(1914年)
- 設計:辰野金吾
- 指定・登録:国の重要文化財
- 住所:東京都千代田区丸の内1
東京交通会館ビルディング

有楽町駅の目の前にある東京交通会館といえば、最上階の展望レストランが有名。
オープン当時、高層階に位置していることや、回転することが珍しかったらしく、デートなどちょっと背伸びしたいときに利用される人気スポットだったのだとか。
- 竣工:昭和40年(1965年)
- 設計:ー
- 指定・登録:ー
- 住所:東京都千代田区有楽町2-10-1
有楽町駅

有楽町駅から新橋駅に続く線路の高架はレンガのアーチ造りになっていて、形状やレンガのくすみ具合など、とてもノスタルジックな雰囲気。
実はこれ、明治時代の駅創業当時のものらしく、日本に現存する最古の高架鉄道なんだそうです。
- 竣工:明治43年(1910年)
- 設計:ー
- 指定・登録:ー
- 住所:東京都千代田区有楽町2
銀座・和光本店

銀座のランドマークとして有名な和光本店。
立派な時計台も目を惹きますが、この優しい弧を描いた建物の曲線が本当に美しいと思います。
どの角度から撮っても絵になりますね。
写真を撮っている外国人観光客も多かったのが印象的でした。
- 竣工:昭和7年(1932年)
- 設計:渡辺仁
- 指定・登録:ー
- 住所:東京都中央区銀座4丁目5-11
W ニッコール・C 3.5cm f2.5を使ってみて

名建築巡りをしている途中に世界の中古カメラ市で購入したW-NIKKOR C 3.5mm F2.5は、結果的に大活躍でした。
35mmレンズは、建築を撮るのにも、スナップを撮るのにもちょうどいい画角で、非常に使いやすかったです。
しかも、建物の模様やテクスチャもしっかり写るので、解像度的にも満足。
しかし、使っていて少し気になった点は、このレンズを装着するとカメラ側の無限遠ロックが効かないので、絞りリングを回すとピントリングも一緒に回ってしまうこと。
そのため、ピントリングを抑えながら絞りリングを回さなければならないという、ひと手間が発生するので、急いでいるときはちょっと困ります。
そういったひとクセもオールドレンズならではの個性と思えれば、大した問題ではありません。

W ニッコール・C 3.5cm f2.5を手にしたことで、ニコン S3の撮影の幅が大きく広がったので、引き続き様々な建築を撮影しに行きたいと思います。
以上、東京名建築巡りでした。

使用した主な機材
