ついに手に入れました。
ライカの定番中の定番レンズ、ズミクロン 50mm f2 1stモデル(固定鏡胴・後期型)です。
製造は1960年。
60年以上も前のレンズですが、クロームメッキの仕上げが驚くほど綺麗で、まるで現行品のよう。
こういうところに、ライカの品質の高さを改めて実感させられます。
描写も期待通り。
コントラストは控えめで階調豊か、それでいて解像度はかなり高く、細部まできっちり写る印象です。
僕が持っているレンジファインダー用レンズの中では、文句なしに最高の一本になりました。
ズミクロン 50mm f2 1st × 純正レンズフードIROOAの組み合わせ

今回使ったズミクロンには、ライカ純正のレンズフード「IROOA」を合わせています。
このIROOA、サイズ感が絶妙なんですよね。
大きすぎず小さすぎず、ズミクロンのコンパクトなフォルムを損なわないデザインが気に入っています。

レンズもフードも、千葉県流山市の「フラッシュバックカメラ」さんで購入しました。
状態の良い物が多くて、買い物が楽しいお店です。
フィルター径55mmのスナップ式レンズキャップがちょうどいい

IROOAを装着すると、純正のレンズキャップが使えないという小さな問題が出てきます。
そんなときに便利なのが、フィルター径55mmのスナップ式キャップ。
これがちょうどハマるサイズなんです。
M型ライカ(特にM3やM5などの初期モデル)は、レンズから入る光でシャッター幕を痛めたり、フィルムが感光するリスクがあるので、キャップの装着は意外と重要です。
レンズキャップについては、別記事でも詳しく紹介しています。
気になる方はそちらもぜひどうぞ。

【作例】新宿・歌舞伎町をズミクロンでスナップ
朝の新宿歌舞伎町を、ライカ M5とズミクロン 50mm F2でスナップ撮影してきました。
フィルムはフジカラーの「SUPERIA X-TRA 400」を使用。自然な色味で、街の空気感がよく出ます。

ズミクロンは彩度控えめで、だけど華やかさもある。
どこか寂しくも美しい朝の歌舞伎町の空気感を表せていると思います。
ビルの陰影や看板のディテールがよく出ていて、やっぱりこのレンズ、只者じゃないなと思いました。

ネオン輝く夜の撮影ではF4あたりまで絞って使いました。
電飾の光が滲むことなく、クッキリと写るあたり、さすがの一言。

西新宿の高層ビル群も、窓枠の一本一本までしっかり描写されていて感動します。

朝の路地裏では、すでに営業準備中の女性たちや、強烈な存在感を放つ建物が目に飛び込んできます。

歌舞伎町の朝は比較的落ち着いていますが、客引き風の人たちもチラホラ。
接待を伴う飲食店で働く女性たちも、店の前に出て客引きをしていました。
朝からすごい。さすが歌舞伎町です。

中でも印象的だったのは、まるでモスクワのクレムリンのような建築。
何のお店か分からないけど、質感がリアルで少し神々しいほど。


ホストクラブの広告看板も見応え十分。写真とコピーのセンスが抜群で、つい足を止めて見入ってしまいました。撮っていて面白い街です、歌舞伎町。

実用派にこそおすすめしたい、スナップ向きライカ M

ライカ M5は、M型ライカの中では少し異端児。
実際に使ってみるとその操作性と実用性の高さには目を見張るものがあり、“直感的に撮れる”カメラとして真価を発揮します。
モダンなデザインや重量に目をつむれるなら、これほど頼りになる相棒はいないと思っています。

ズミクロン 50mm f2 1st、買ってよかった
このレンズ、ほんとに買ってよかったと思います。
メッキの美しさ、滑らかなヘリコイドの操作感、そして写りの確かさ。すべてが心地よくて、所有欲を満たしてくれる一本でした。
ズマリットとも迷ったんですが、やっぱり王道のズミクロンで正解だったな、と。
とりあえずレンズ探しの旅はこれで一段落。
でも、M5に満足しつつも、やっぱり伝統的なスタイルのM2やM4にも惹かれる今日この頃…。
物欲は止まりませんね。
