使い方や機能は以前紹介したペン Sとほぼ同じ。使いやすかったり高機能なカメラではありませんが、とにかくカッコよくて入手できた高揚感に包まれています。
魅惑のブラックペイント オリンパス ペン W
広角レンズのEズイコーW25mm f2.8を搭載しているので、サブカメラにちょうどよさそうだ思って買ったオリンパス ペン W。
軽量コンパクトなボディ、25mmの広角レンズ、通常の倍も撮影できるハーフカメラ、など良い点はいくらでもありますが、やっぱり最大の魅力はこの美しいブラックペイントだと思っています。
過去のオーナーさんたちに使い込まれたペン Wは、塗装が剥がれて地の真鍮が露出し、ゲキシブな雰囲気を漂わせています。
塗装の質が悪いせいか、ぷつぷつと気泡のようなものが浮いているのもカッコいい。
往年のブラックペイントフィルムカメラにしか出せない魅力だと思っています。
このカメラはプロ用に開発されたため、外装はペン Sのようなクロームではなく、ブラックペイントになったそうです。
当時は、報道カメラマンや写真家の森山大道などが使用していたとか。
歴史的なスクープや傑作を撮っていたのかも?と想像するだけでワクワクしてきます。小さくてかわいい見た目ですが、ロマンの塊のようなカメラです。
我が家にある他のペンシリーズと並べてみました。
ペンシリーズを複数台揃えている人はそうそう多くないと思います。
どれも似たようなデザインとサイズ感ですが、D3は明るいレンズとピントリングの操作性の良さ、Wは25mmの広角レンズとブラックボディの美しさ、Sは30mmレンズの汎用性の高さ、とそれぞれに特徴や強みを持っていて、僕的には揃える意味がありました。
状況に応じてうまく使い分けていく予定です。
オリンパス ペン Wのスペック
- フルメカニカルカメラ
- ハーフサイズ
- フォーカス:目測式
- レンズ:EズイコーW25mm f2.8 3群5枚
- シャッタースピード:B、1/8~1/250秒
- 最短焦点距離:60cm
- フィルター径:22.5mm
- 露出計:無し
- 電池不要
オリンパス ペン Wとフジカラー100
オリンパス ペン Wとフジカラー100の組み合わせで写真を撮ってきたので、何枚か掲載したいと思います。
長野県上田市
まずは長野県上田市の市街地で撮った写真。
中心市街地でも人が少なくて規模的にもコンパクトな上田市は、味のある古い建物がたくさん残っているので、撮影していて楽しい場所でした。
EズイコーW25mm f2.8は、焦点距離約35mm相当の広角レンズなので、風景や建物を撮影するのに最適なカメラでした。
色ノリも良好!
ファインダーを覗いてもピント位置がわからない目測式のカメラですが、広角レンズとハーフサイズフォーマットなので、そこまで神経質にならなくても大丈夫です。
ピント合わせの負担が軽い分、構図や被写体探しに集中できるのは嬉しいです。
建物のタイルまで比較的綺麗に描写してくれています。
ハーフサイズカメラだから解像度を心配する人もいるかもしれませんが、PCやスマホで見る分にはまったく気になりません。
1917年創業の上田映劇は、今も現役のミニシアターで、面白そうな映画をたくさん上映していました。
そんな上田映劇の建物は、外観も内観もレトロで渋すぎました。
緑色の壁やタイルの模様もめちゃくちゃカッコいい。
この日は併設している重澤珈琲にのみお邪魔してきたので、後日ゆっくりと映画鑑賞したいと思います。
長野県長野市
続いて、長野県の県庁所在地である長野市で撮影した写真。
ペン Wに限らずハーフカメラで撮影するとき、水平に撮るのがちょっと難しいと感じます。
水平を意識して撮っているつもりですが、仕上がった写真を見てみると若干斜めになってしまっていることがしばしば。
レンズと連動していない素通しファインダーなので、多少のズレはしょうがないのかもしれないですね。
きっと、大らかな気持ちでバシバシ撮るのに向いているカメラなのでしょう。
長野県白馬村
最後は、白馬村のエイブル白馬五竜スキー場にて。
手すりと天井のウェーブ形が連動していてお気に入りの写真。
対の写真が撮れるハーフカメラはこういった遊び方もできるので、被写体探しが楽しくなります。
対の写真にしたいと思っても、まったく関係ない面白い被写体がすぐそこにあるときなんかはもどかしい気持ちになります。
そんなときはだいたい惰性で撮ってしまって、一枚を無駄にしてしまうんですよね。
ペン Wは、赤城耕一さんの記事によるとレンズがクモりやすいそうなので、カメラ内部に水気が入ったり、温度差で結露しないように慎重に扱いました。
家に帰ってからカメラを点検したところ、特に問題はなさそうだったのでひと安心。
他の作例はこちら
こちらの記事にペン Wの作例をたっぷり載せたので、ぜひご覧ください。
魅惑のブラックペイントカメラを手にして
まだフィルム一本分の撮影しかできていませんが大満足。
世界のカメラ市で奇跡的に出会えて本当に良かったです。
フィルムカメラ店やネットでも、いままであまり見かけたことがなかったので、とてもラッキーでした。
この魅惑のブラックペイントカメラを眺めていると、フィルムカメラはスペックだけで判断するものではないとつくづく思います。
カッコよさやデザインの好み、自分の撮影スタイルに合うか、手に持った時のフィーリング、歴史やブランドなどをトータルで判断して、その時々で最善の一台を選ぶ。
これがフィルムカメラの楽しさであり醍醐味だと、ペン Wを手にして改めて感じることができました。