オリンパスペンD3でハーフサイズカメラに目覚め、次に手に入れたのがペンS。
そして今回、念願だったブラックペイント仕様の「オリンパス ペン W(Olympus Pen W)」を世界の中古カメラ市で入手しました。
このペン Wは、見た目のインパクトはもちろん、広角25mmレンズを搭載した実用性も兼ね備えた一台。
基本の操作性はペンSに近いですが、ボディの質感と雰囲気がまったく別物。
とにかくカッコいい。
そして持っているだけで心が躍ります。
ブラックペイントの美学と歴史性

オリンパス ペン W最大の魅力は、何といってもこの美しいブラックペイント。

ペンSのクローム仕上げとは対照的に、プロ用機として開発されたWはマットな黒塗装を纏い、過去の持ち主による使い込みによって真鍮が浮き出たボディには、まさに「歴史」が刻まれています。

表面にぷつぷつと浮く気泡のような塗装ムラもまた味。

こうした表情は、ライカのブラックペイントにも通じる“使い込むほどに完成する美”があり、所有欲を強く刺激します。
ペンシリーズ3台の比較と使い分け

我が家のペンシリーズはD3、S、Wの3台体制に。
D3はf1.7の明るいレンズとピントリングの操作性、Sは万能な30mmレンズ、そしてWは25mmの広角とブラックボディの存在感。

それぞれの強みがあり、シーンに応じて使い分けができるのも楽しみの一つです。
オリンパス ペン Wのスペック

- フルメカニカルなハーフサイズカメラ
- フォーカス:目測式
- レンズ:E.Zuiko W 25mm f2.8(3群5枚)
- シャッタースピード:B, 1/8〜1/250秒
- 最短撮影距離:60cm
- フィルター径:22.5mm
- 電池不要、露出計なし
オリンパス ペン Wとフジカラー100との組み合わせで撮影【作例】
オリンパス ペン Wにフジカラー100を入れて、さまざまな場所でスナップ撮影しました。

搭載されているE.Zuiko W 25mm f2.8は、35mm判換算で約35mm相当の画角となり、街歩きや建築物の撮影、風景写真などに非常に使いやすい広角レンズです。

広がりのある構図が作れるため、コンパクトなフィルムカメラながら本格的な写真表現が可能です。

オリンパス ペン Wは目測式フォーカスを採用していますが、広角レンズとハーフサイズフォーマットによる被写界深度の深さにより、ピント合わせの難易度は比較的低く、初心者にも扱いやすいのが特徴です。

ピントに神経質になることなく、撮りたい瞬間に素早くシャッターを切れるため、スナップ撮影や旅先での記録撮影にも最適。

ハーフサイズカメラならではの「倍撮れる」経済性も相まって、枚数を気にせずのびのびと撮影に集中できます。

また、オリンパス ペン Wのファインダーはレンジファインダー連動ではなく、単なる素通しのビューファインダーです。

そのため、構図の取り方に自由度がありつつも、水平を正確に保つのがやや難しいと感じる場面もあります。

しかしそのラフさが逆に味になり、撮影後に「少し斜めに傾いた写真」すらも味わい深く感じられるのがペン Wの魅力でもあります。

特にハーフサイズカメラでは、左右に並ぶ2枚の写真を“対”として意識した構図で撮る楽しさがあり、フィルム写真ならではの創造的な表現ができます。

オリンパス ペン Wは、そんなハーフサイズ写真の「遊び心」と「美しさ」をどちらも叶えてくれる、実にロマンあふれる一台です。
Olympus Pen Wはロマンの塊

赤城耕一さんのレビューでも触れられていたように、レンズのクモリには要注意。
温度差や湿気に注意しつつ、大切に扱いたいカメラです。
スペックや機能だけでは測れない“フィルムカメラの愉しみ”を、オリンパスペンWは改めて教えてくれます。
このようにペン D3、S、Wと使ってみると、それぞれの個性が際立ち、シリーズとして集める楽しさがあります。
これからペンシリーズを始めたい方、特にブラックペイントの魅力に惹かれる方には、オリンパス ペン Wは特別な一台になるはずです。
ハーフサイズカメラの魅力にもっと浸りたい方へ
オリンパス ペン D3とペン Sの作例や使用感も、こちらの記事で詳しく紹介しています。
フィルムカメラ選びの参考に、ぜひあわせてご覧ください。

