Leica Ⅲfと水戸スナップ|変わってしまった地元の景色を撮る

Leica Ⅲf × 水戸

地元である茨城県水戸市を、Leica Ⅲfを持って歩いた。

地元を離れてから、もう十数年が経つ。

久しぶりに街中を歩いてみると、水戸駅周辺の空気は昔よりずいぶん静かになっていた。

街中を歩く人は少なく、以前はもっと人の気配があった場所にも、どこか空白のような時間が流れている。

高校時代によく遊びに行ったファッションビルやセレクトショップはすでになく、駅前の建物もところどころ取り壊されて、駐車場や空き地になっていた。

地元なのに、少しよそよそしい。

知っている街のはずなのに、もう完全には知っていると言い切れない。

そんな感覚を味わいながら、Leica Ⅲfで今の水戸を撮っていった。

目次

人の少ない水戸市街地を歩く

【Leica Ⅲf】人の少ない水戸市街地
Leica Ⅲfで撮る、人の少ない水戸市街地

まず感じたのは、水戸駅周辺を歩く人の少なさだった。

地方都市ではよくある話かもしれないが、水戸もまた、駅前より郊外型の商業施設に人が流れる構造になっている。

20年ほど前に内原にイオンができてから、その流れはよりはっきりした気がする。

便利で、駐車場も広く、何でも揃う。

ただ、その便利さの裏側で、街の景色は少しずつ均質になっていく。

チェーン店は安心感がある一方で、どこへ行っても同じような風景になりやすい。

そうなると、街固有の表情や個性は少しずつ薄くなる。

【Leica Ⅲf】アーケードが撤去されたメインストリート
アーケード撤去後の水戸駅前のメインストリート

水戸駅周辺を歩いていて感じた寂しさは、単純な人通りの減少だけではなく、そうした街らしさの希薄さにもある気がした。

駐車場と空き地が増えた駅前の風景

【Leica Ⅲf】水戸駅周辺の空き地2
水戸駅周辺に増えた空き地

今回、特に印象に残ったのは、建物がなくなった後の風景だった。

本来なら何かの店やビルが建っていたはずの場所が、駐車場や空き地になっている。

何もないからこそ、街の変化がより強く見えてしまう。

【Leica Ⅲf】ファッションビルのサントピアがあった場所
ファッションビルのサントピアがあった場所

空き地は単なる空白ではなく、街の記憶が抜け落ちた跡のようにも見える。

高校時代に当たり前のように歩いていた風景が、少しずつ別のものに置き換わっていく。

水戸の街を歩いていると、懐かしさと同時に、少し取り残されたような気持ちにもなった。

水戸芸術館は、今も水戸のシンボル

【Leica Ⅲf】磯崎新が設計した水戸芸術館
磯崎新設計の水戸芸術館タワー

そんな中で、磯崎新が設計した水戸芸術館の存在はやはり特別だった。

独特のねじれたタワーは、昔から水戸の景色の中で強い存在感を放っていたし、今見てもやはり面白い。

街の中に立つと、その近代的でシャープな形がよく分かる。

【Leica Ⅲf】タワーと周囲の風景とのコントラスト
水戸芸術館と周辺の街並みの対比

周囲の少し寂れた空気や、空き地の目立つ風景と並んで見たとき、そのコントラストはいっそう際立っていた。

街全体が以前より静かになったように見える中で、水戸芸術館だけは今もこの街のシンボルと言える存在だ。

寂しい街並みと、近代的なタワー。

その対比は、水戸という街の複雑な表情をそのまま象徴しているようだった。

Leica ⅢfとElmar 50mm f3.5で水戸の街を撮る

【Leica Ⅲf】今回持ち出したのは、Leica ⅢfにElmar 50mm f3.5を組み合わせ
Leica Ⅲf + Elmar 50mm f3.5

今回持ち出したのは、Leica ⅢfにElmar 50mm f3.5を組み合わせたセットだった。

このセットの良さは、まず軽さにある。

小さくて持ち運びがしやすく、街を歩きながらさっと構えて撮るのに向いている。

そして何より、このサイズの中にライカの思想が凝縮されている感じがある。

写真を撮るために必要な最低限の機能だけを備えていて、道具として洗練されている。

Leica Ⅲfは、そんなカメラだ。

【Leica Ⅲf】ライカの思想月またカメラ
Leica Ⅲfのファインダーの曖昧さがスナップにはちょうどいい。

Ⅲfのファインダーは、視野倍率が低く、フレーミングの境界も曖昧だ。

Leica M2のように明快にフレーミングできるファインダーとは少し違う。

ただ、Ⅲfをはじめとするバルナックライカの魅力は、その見え方の不確かさや曖昧さが、むしろスナップにはちょうどいい。

細部を詰めすぎず、その場の空気や流れに意識が向くからだ。

今回の水戸のような、どこか寂しさを帯びた街の表情には、Leica Ⅲfのそうした距離感がよく合っていた。

変わってしまった水戸の街を、それでも撮りたくなる

【Leica Ⅲf】街のレイヤー
Leica Ⅲfで撮影した水戸の裏通り

水戸の街は、帰省するたびに少しずつ変わっていく。

なくなった建物もあれば、水戸市民会館のように新しくできたものもある。

便利になった部分もある一方で、昔の面影がふっと消えている場所もある。

今回の2日間の滞在では、Leica Ⅲfに詰めたフィルムを2本撮り切った。

それでも、まだまだ足りないと感じた。

刻一刻と変わっていく地元だからこそ、今のうちに写真に残しておきたい。

次に帰るときも、またLeica Ⅲfを持って水戸の街を歩こうと思う。

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