カメラ好きなら誰もが一度は経験する、「理想の一台を探し続ける日々」。
僕にとってそれが、ライカ M2 Earlyでした。
1年近くかけて探し回り、ついに理想通りの個体に巡り合うことができたので、今回はその喜びとともに、ライカ M2 Earlyの魅力について綴ってみたいと思います。
ライカ M2 Earlyとは?——初期型だけの特別なディテール

ライカ M2 は、1957年に発売されたクラシックなM型レンジファインダー機。
途中で何度も細かな改良が加えられたため、時期によって仕様が異なります。

中でも初期型(通称 “M2 Early”)の特徴は2つ。
- 巻き戻しクラッチがボタン式(ボタンリワインド)
- スリット状の採光窓(内ギザタイプ)
今回手に入れた個体は、シリアル93万台。製造開始から3番目のロットにあたる1958年製です。
66年の時を経てもなお美しいこのカメラは、まさに時間を超えてきた宝物のように感じます。
セルフタイマー付き&オーバーホール済みの個体——理想を叶えた一台

初期型のM2にはセルフタイマーが付いていないものがほとんどですが、この個体にはセルフタイマーが装備されていました。
セルフタイマーって、正直なところ現代ではあまり使われないかもしれません。
でも僕にとっては、旅先でセルフタイマーを使って撮る記念写真が大切な思い出になるから、絶対に外せない条件でした。
さらに、2年前にプロによるオーバーホールも施されており、シャッターの感触も、ファインダーのクリアな見え味も完璧。
- 巻き上げ動作はスルスルと滑らか
- ファインダーはスッキリとクリア
- グッタペルカ(貼り革)もオリジナルを維持
「これ以上望むことはない」と思えるほど、理想にぴったりの一台でした。
M3とM2の違い——実用性で選ぶならM2

「M型ライカならM3が最高」という声もよく耳にしますが、僕は断然M2推しです。
その大きな理由は、ファインダーフレーム。
モデル | フレーム |
---|---|
ライカ M2 | 35 / 50 / 90mm |
ライカ M3 | 50 / 90 / 135mm |
街中でスナップを楽しんだり、旅先の景色を撮ったりするときに、35mmレンズが使えるのは本当にありがたい。
それに、ファインダー倍率が0.75倍と低めなので、50mmのフレームでも周囲の動きがよく見え、撮影の自由度がぐっと広がります。
M3の丸く太いフレームも味があって好きでしたが、実用面ではやっぱりM2に軍配が上がるなと感じています。
工芸品のような美しさ——ライツ製ライカの真髄

M2は、巻き上げレバー・セルフタイマーレバー・フレーム切り替えレバーなど、外装パーツのほとんどが金属製。
触れた瞬間に伝わる、金属ならではのひんやりとした質感と、ぎっしり詰まった剛性感。
そして、細部まで丁寧に磨き上げられたパーツからは、工芸品のような美しさが感じられ、職人たちのプライドが伝わってくるようです。

美しいものを手にすると、自然と扱いも丁寧になる。
ライツ製ライカには、そんな魔法のような力があります。
相棒レンズはズミクロン 50mm f2 1st(1960年製)

ライカ M2に合わせるレンズは、ズミクロン 50mm f2 1st(1960年製クローム)。
カメラとの時代性もぴったりで、クロームメッキの優しい輝きがM2の品格をさらに引き立ててくれます。
スナップ、旅、日常。
どんな瞬間を切り取っても、このレンズならきっと美しい物語を紡いでくれるはず。
大切なカメラだから、純正レザーケースに

このM2のために、ずっと前から純正レザーケースも準備していました。
三脚ネジにアダプターを用意したものの、外観サイズはぴったり。

実は、以前パリでライカM3を壊してしまった苦い思い出があって…。
それ以来、旅先ではレザーケースに入れて使うようにしています。
ケース越しに伝わるカメラの重みと、手に吸い付くようなホールド感。
そんな感触を楽しみながら、これからまた旅に出たいと思います。
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まとめ:半年以上かけて探し続けた“理想の一台”と、これから
ライカ M2 Earlyは、まさに僕の理想がすべて詰まった一台。
所有している ライカ M5 や Nikon S3 オリンピック、Leitz Minolta CLも素晴らしいけれど、
このM2には、それらとはまた違う、”特別なオーラ”と”静かな美しさ”があります。
これからこのカメラと一緒に、いろんな場所を旅して、たくさんの思い出を写真に残していきたい。
そんな未来を思い描きながら、今日もそっとシャッターを切ります。
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