2023年6月、コペンハーゲン、ベルリン、パリ、ウィーン、イスタンブールを巡るヨーロッパ5都市の旅に出かけました。
コロナ禍でしばらく遠のいていた海外旅行。
今回は、久しぶりに現地の空気に触れ、美味しいものを食べ、憧れの美術館を巡りながら、異国の風景を愛用のフィルムカメラ「Leica M3」で記録する——そんな旅を楽しみにしていました。
旅に持っていったのは、ライカの定番レンズ「エルマー 50mm F3.5 L」、中望遠の「エルマー 90mm F4」、広角の「キヤノン セレナー 35mm F2.8L」の3本。
フィルムはカラーとモノクロ合わせて20本以上。
トラブルにも見舞われましたが、無事に現像が終わった今、旅の記憶を少しずつ振り返ってみたいと思います。
今回は、コペンハーゲン編、ベルリン編に続く第3弾——パリ編の2回目です。

コペンハーゲン編とベルリン編は下記のリンクからご覧ください。
▼コペンハーゲン編

▼ベルリン編

修復中のノートルダム大聖堂と、パリに点在する魅力的な教会 | Leica M3

パリのシンボルであるノートルダム大聖堂は、2019年に発生した大規模な火災のため、現在は修復工事の真っ最中でした。

資材を運ぶ大きなクレーンや、周囲を取り囲む足場によって、本来の美しい姿ではありませんでしたが、修復中の様子は今しか見ることができない貴重なもの。
宿泊したホテルから近かったこともあり、何日も訪れて、時間や場所を変えてたくさん写真に収めておきました。

パリ市内には大小さまざまな教会が点在していて、ノートルダム大聖堂以外にも魅力的な教会がたくさんありました。
パリ5区にあるサン・セヴラン教会は、上品なゴシック建築と鮮やかなステンドグラスが美しい教会。

ノートルダム大聖堂と比べると小さな教会ですが、ゴシック建築ならではの天井の高さや光の入り具合はなんだか神秘的で、荘厳な雰囲気が漂っていました。

ゴシック建築といえば大きなステンドグラスですが、サン・セヴラン教会はピンクを主体とした鮮やかなステンドグラスが本当に美しかったです。
一般的に有名な観光地ではないため観光客が少なく、近くに寄って細部までじっくり観察できました。

サン・セヴラン教会と道路を挟んだ向かい側にあるサン・ジュリアン・ル・ポーヴル教会は、ロマネスク様式の教会で、12世紀に建てられたもの。
ロマネスク様式は、ゴシック様式以前の建築方法で、古代遺跡のような佇まいで、背が低くどっしりした造りが特徴です。
教会に限らず、時代や建築様式が異なる古い建物をしっかり残していこうとするパリの姿勢が、世界中の人たちを愛される美しい街づくりに繋がっているのだと感じました。
外でくつろぐのが大好きなパリの人々
コペンハーゲンやベルリンでもそうだったのですが、パリの人たちも外でくつろぐのが大好き。
冬の晴天率が低く寒さも厳しいため、みんな夏は時間が許す限り外で過ごしたいんだと思います。

オランジュリー美術館に行く前にふらっと立ち寄ったチュイルリー庭園。
リクライニングタイプの椅子で日差しを受けながら昼寝をしている人がたくさんいました。

日本人の感覚からすると日焼けを気にしてしまうものですが、現地の人たちはお構いなしといった感じで、ガンガン焼いていました。

チュイルリー庭園は清潔で本当に気持ちいい公園でした。
ルーブル美術館やオランジュリー美術館やコンコルド広場広場に挟まれた立地で、遠くにはエッフェル塔の姿も見えます。
のんびり散策するだけでパリを満喫できてしまう素晴らしい公園です。

たくさんの人が集まるセーヌ川

セーヌ川沿いでたそがれる人々の姿は、パリを象徴する景色といっても過言ではありません。

特に夕方になると人が増え、学生風の人から会社員までたくさんの人が集まります。

都会のど真ん中にこのような憩いの場があるのはいいですね。
みんな本当に気持ちよさそう。

こちらはノートルダム大聖堂の前を通過したセーヌ川クルーズ船。
初夏の爽やかな風を感じながら主要観光名所を回ることができるので、僕らも乗ってみたかった。

みんなすごいノリノリで、パリの空気を存分に楽しんでいるのが伝わってきます。

ダンスパーティーをやっている日もありました。
踊るシニアたちがイキイキとしています。

僕らがパリを訪れた6月は、日が長いので21時を過ぎてもこの明るさ。
冬は夕方には暗くなってしまうので、夏のほうがたくさん遊べてお得です。

パリの夜景。恐らく22時をちょっと過ぎた時間帯。
色の統一感があって、街並みに調和する夜景。
色とりどりのライトが輝く日本の夜景とは違った魅力があります。
パリらしさを感じられるカフェとビストロ
最後に2つ、パリらしさを感じられるカフェとビストロを紹介します。

1884年にオープンしたした「ドゥマゴ」は、ピカソやヘミングウェイなどのアーティストが足繫く通った老舗カフェ。
目の前にあるサン・ジェルマン・デ・プレ教会やギャルソンたちのカッコいい仕事ぶりも見どころで、パリの中でも特にオススメカフェです。
原田マハさんの小説「暗幕のゲルニカ」にも登場するので、事前に読んでからドゥマゴに行けば、ピカソの息吹が感じられるかもしれません。

パンテオンから徒歩3分の場所にある、安くて美味しいビストロ「Les Pipos」。
古き良きパリの雰囲気を感じられるこのお店は、伝統的なメニューばかりで、観光客だけでなく多くの地元の人も通います。
僕らは、鴨のコンフィやウフマヨなどをいただきましたが、外のテラス席でワインをサクッと引っかけるのも粋。

おわり

5日半のパリ滞在でフィルムを8本も使ってしまうほど、見どころが多くて素晴らしい街でした。
体力と時間の関係で、予定していたモンマルトルへは行けませんでしたが、それは次回以降の楽しみにとっておきます。
次の記事ではウィーン編をアップします。
フィルムカメラを海外旅行に持っていく人は、ぜひこちらの記事もご覧ください。

▼使用した機材はこちら
▼パリ編vol.1

▼コペンハーゲン編

▼ベルリン編
